空き家は早めに動いた方がよい理由|現場の実感と制度から見えること

実家や空き家のことを考え始めても、
すぐに「どうするか」は決められないものです。

  • 家に思い出がある
  • 家族の気持ちもある
  • 何から手をつければいいか、分からない

そう感じて、つい後回しになってしまいがちです。

ただ、現場でいつも感じることがあります。

時間がたつほど、あとで選べる方法や費用が変わっていくということです。

この記事では、空き家になってからの時間が、活用のしやすさにどう関わるかを整理します。
現場で見てきたことも、あわせてお伝えします。

目次

空き家は、年数がたつほど手入れが難しくなります

「うちは、まだそんなに古くないから大丈夫」。
そう思うかもしれません。

でも、空き家は、人が住まなくなってからの年数によって、少しずつ状態が変わっていきます。

最初は簡単な手入れで済む家でも、
時間がたつほど、片付けや修繕が必要になることがあります。

国土交通省の資料でも、
空き家になってからの年数は、活用のしやすさを見る目安のひとつとして整理されています。

空き家の経過年数と活用のしやすさの関係を、0〜10年ごろ・10〜20年ごろ・20年以上の3段階で整理した図解。年数がたつほど選べる方法の幅が狭まりやすいことを示す

もちろん、年数だけで決まるわけではありません。

建物や設備の状態、立地、残っている家財の量などの条件によっても変わります。

それでも、空き家になって間もない家と、10年以上たった家では、
選べる方法の幅に差が出やすいと感じます。

外がきれいでも、中は傷んでいることがあります

「まだ空き家になって数年だから大丈夫」
そう思うかもしれません。

でも、外の見た目と、中の状態は別ものです。

外からはきれいに見えても、
中に入ると、水まわりや配管に不具合が出ていることがあります。

井戸が使えなくなっていたり、
屋根裏や壁の中に動物が棲みついていることもあります。

人が住んでいない家では、
こうした変化に気づきにくくなります。

外からは気づきにくい、中の変化

  • 水回りや配管に、不具合が出ている
  • 井戸や設備が使えなくなっている
  • 動物が入り込み、屋根裏や壁の中が傷んでいる

外がきれいに見えても、
中の状態まで同じとは限りません。

だからこそ、外観だけで判断せず、
ときどき中の状態も見ておくことが大切です。

早めに気づけると、修繕や手入れの負担を小さくできることがあります。

売る・壊す前に、費用の見通しを立てておきましょう

「いざとなれば、売るか壊せばいい」。
そう思うかもしれません。

でも、売るときも、壊すときも、
家そのもの以外に費用がかかることがあります。

たとえば、こんな費用です。

  • 土地の境界を確認する費用
  • 家の中に残った荷物を片付ける費用
  • 修繕や設備の確認にかかる費用
  • 解体を考える場合の費用
売る・壊す前に、確認しておきたい費用
  • 土地の境界を確定する費用
    (例:確定測量で30万〜80万円ほどかかるケースもあります)
  • 残置物(家に残された家財道具)を片付ける費用
  • 修繕や、設備を確認する費用
  • 建物を解体する場合の費用
    (例:木造で坪3万〜6万円ほどが目安になります)
  • 税金や登記に関する費用

金額は、次のような条件でも変わります。

  • 土地が道路にどう接しているか
  • 隣の土地との境界がはっきりしているか
  • 建物の造り
  • 重機が入れるか
  • 荷物の量

ここでの金額は、正確な見積もりではありません。
「ある程度まとまったお金がかかることもある」
くらいの目安として見てください。

現場では、修繕や片付け、解体にかかる費用を考えると、
売れた金額だけではまかないにくいケースもあります。

だからこそ、早めに費用の見通しを立てておくと安心です

早く動くほど、選べる方法は多く残ります

早く動いた家ほど、
あとで選べる方法は多く残りやすいです。

現場を見ていると、これは強く感じます。
「もっと早ければ、修繕も片付けも、もっと楽だったのに」と。

時間がたつほど、家は傷みます。
家財も片付けにくくなります。
家族で話すきっかけも、少なくなっていきます。

早く動くことには、制度面でも意味があります。

相続した空き家を売るときの特例(国税庁より)
  • 売った利益から、最高3,000万円まで差し引けます
  • 相続した人が3人以上のときは、各人 最高2,000万円まで

※上記は制度の概要です。対象になる家・売り方・期限などの要件は、国税庁のページでご確認ください。
国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」

ただし、対象になる家や売り方、期限などには条件があります。

制度が使えるかどうかは、家や相続の状況によって変わります。
売ろうと思い始めたら、税理士などの専門家に一度確認しておくと安心です。

決めるのは、後でかまいません。
ただ、今の状態と使える制度だけは見ておく。
それだけで、あとで選べる方法が残ります。

カピバラ

売るかどうかを決める前に、
まずは「今どんな状態か」を見ておくことが大切です。

今日やることは、家の今の状態を見ておくことです

今日、売る・貸す・壊すを決める必要はありません。

まずは、家が今どんな状態かを見ておきましょう

外から見た様子だけでなく、
水まわりや設備、家の中の荷物など、見えにくいところも確認しておくと安心です。

今日できる、小さな一歩

  • 写真を見返す
  • 気になるところをメモする
  • 水回りや設備の状態を確認する
  • 固定資産税の通知書や名義を確認する
  • 家族の中で、今どこまで分かっているかを共有する

これだけでも、次に何を相談すればよいかが見えやすくなります。

見てみて、
「これは自分だけでは判断できないな」
と思ったら、そのときは相談しましょう。

空き家のことは、お住まいの市区町村の窓口でも相談できます。

誰に相談すればよいかは、次に読む記事で整理していきます。

この記事のポイント

最後に、この記事をまとめます。

  • 空き家は、年数がたつほど活用しにくくなります
  • 外がきれいでも、水回りや設備など中が傷んでいることがあります
  • 売る・壊すときは、境界・片付け・修繕・解体などの費用がかかります
  • 相続した空き家には、一定の要件で税金が軽くなる特例があります
  • 早く状態を見ておくほど、あとで選べる方法を残しやすくなります
  • 今日やることは、家の今の状態を見ておくことです

結論を急ぐ必要はありません。

ただ、今の状態を知っておくことで、
あとから家族で話すときや、相談するときに動きやすくなります。

次に読むおすすめページ

気になるところから、順番に見ていけば大丈夫です。

現地の状態を見たい方へ

誰に相談すればいいか知りたい方へ

 お金の全体像が気になる方へ

名義の確認がまだの方へ

出典リスト

この記事は、総務省統計局・国土交通省・国税庁の公開情報と、現場での実務経験をもとに作成しています。お金の目安は、地域や条件によって大きく変わります。 税制が使えるかどうかを含む個別の状況は、税理士などの専門家にご確認ください。

参照: 

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